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モエレ沼公園ガイドツアーを開催しました!

2017/10/20 (Fri) 12:31

10月15日(日)10:00より、昨年に続く第2弾のガイドツアーが行われました。

 

昨年は「海の噴水」の内部構造を特別に観察するツアーでしたが、今回はモエレ沼公園が計画された経緯や設計段階での打ち合わせ内容・ご尽力された内容をグランドデザインを担当された斉藤事務局長と建築の実施設計、現場監理を担当された森本さん、発注者である札幌市の武市さんから直接時系列で説明していただきました。

 

特に私が興味を持った内容は、湿地帯だった地盤に深さ30mの杭で地盤が支えられている事やごみの埋め立て地だった為、発生するガスを抜く仕組みがなされてたり、ガラスのピラミッドの構造計算の件・壁やサインの材料がSUSブラック発色材になった経緯、モエレ山の内部構造、海の噴水の水流の模型実験、テトラマウンンドの表面仕上のテクスチャー習得に北海道から職人がニューヨークに赴いた話等々です。

 

そして当時北大の教授をされていた小林会長が中心となり「市民の立場で公園を盛り上げて行こう!」とモエレ沼公園のオープンに合わせたイベントを企画、イサムギャラリーでのイサム・ノグチの展覧会が開催され、この活動が現在のMFC(モエレファンクラブ)設立の基礎となり、その後、「公園の活用を考える会」として子供向けのワークショップやコンサート、間伐材の伐採や間伐材を利用した楽器作りなどのイベントを行ってきました。

 

私達のこれからの目標と課題はイベントの開催と同時進行で老朽化していく施設のパークマネジメントにどう関わっていくかです。

 

10:00~11:30の短い時間では全てを聞くことは無理でしたが、完成した現在では見えていない経緯の数々を繰り返し聞く度に、関わった方々が、困難があっても「イサム・ノグチだったらこうしただろう」という高い目標に向かって一つ一つ問題をクリアしていった努力に関心しました。公共事業でこれほど妥協せずに整備された事例は珍しいです。

 

公園計画の立ち上げから今日までモエレ沼公園に携わった方々の意志を継承し、次の世代の子供達に伝えていくにはどのようなアプローチが相応しいのか、じっくり考えたいなと思いました。

 

このような貴重なお話を土木・建築に興味を持つ学生達にも伝えたいなと思いますし、今後も施設毎のエピソードを掘り下げて聞きたいです。

 

その後は、いつも楽しみにしているランファン・キ・レーヴでのランチ。

 

珍しいピンク色のススキを窓越しに眺めながら、秋らしいサンマのスモーク等々に舌鼓・・・
充実の日曜日でした。